今月5日、婚外子の相続差別について違憲判決が言渡されました。内容については、後日に譲るとして、今回はこの判決に伴う「ひっかかること」について述べたいと思います。
まず、今回の違憲判決に関して、9月5日付の新聞紙では「画期的」「遅すぎる」といった報道が多く、識者のコメントを含めて批判的な意見はほとんど掲載されていないことがあげられます。批判的意見については、産経新聞が正論メンバーである長谷川三千子埼玉大名誉教授のコメントを掲載し、その後、9月12日付の正論欄で批判的意見を掲載した程度です。本ブログでも少々触れましたが、この問題は国民の間でも賛否がわかれ、すべての意図が納得いく結論は難しい。こうした問題では賛否両論の意見を掲載し、バランスを保つのが報道の一般的な方法と思われましたが、今回についてはその方法が取られておらず、日本経済新聞では「画期的」「差別意識の撤廃」と賛成側からの意見のみを掲載しています(日経はこの件については「違憲」であるという立場だったようです)。
また、9月5日付の東京新聞では社説で、未婚の母についての税務上の差別についても言及しています。確かに婚外子に関連する事項とは思われますが、未婚の母の中には社会の困難に立ち向かう固い意志で行った人もいるはずで、そういった「差別」を解消することが、その人たちの尊重につながると言い切れるのかという疑問も残ります。
今回の報道について、週刊新潮でも「違和感」があるといった記事を掲載しており、判決に喜ぶ人がいる中で「なんかしっくり来ない」と思う人もいます。そういった意味でも、今回の判決で沈静化するどころか、ますます議論が広がる予感がします。
参考:日経、東京、朝日、産経新聞(すべて9月5日付、ただし産経新聞のみ9月12日付を含む)、週刊新潮(9月19日号、通巻2907号)
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