刑事事件の判決に市民が参加する裁判員制度が5年を経過しました。この間、裁判員として参加した方は5万人を超え、6,300人以上の被告に判決が言渡されたとのことです。この制度の問題点として、マスコミ等によくあげられているのが、裁判の長期化と裁判員に対する心のケア等です。
裁判の長期化について産経新聞によると、この5年間で起訴から判決までの期間が3.6か月伸び、評議時間も約2倍になっています。判決に慎重を要するのは当然ですが、これだけ長期化するのも議論の余地があるように思います。審議を効率化できないか、さらに工夫が必要でしょう。
心のケアについては、大いに議論がある点だと思います。確かに市民の義務といえども、殺人事件などに強制的に関わることになりますし、そのプレッシャーを大きく感じる人もいるだろうと思います。裁判員をつとめた方が急性ストレス障害になったことから、裁判員制度の違憲性を含めた訴訟にまで発展し、これを機に裁判員のケアについても議論され始めたようですが、まだまだ未成熟な分野だけに、早期にケアのシステム構築が必要なところだと思います。
裁判員制度は、市民の法律意識を高めるという視点でも有効な制度と思いますが、完全な定着にはまだ時間を要すると思われます。制度の見直しや改善を積み重ね、精度の高いものにしてほしいと思います。
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